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I.はじめに
口腔内の小唾液腺よりいわゆる混合腫瘍が発生することは衆知のことであり,耳下腺,顎下腺についで頻度の高いものである。口腔内では硬口蓋および軟口蓋に発生することが多いが,まれに舌,口唇,頬部粘膜,咽頭の後壁および側壁などにも発生する。咽頭の側壁に発生し副咽頭腔内に発育する混合腫瘍は副咽頭腔混合腫瘍とも呼称されている。
副咽頭腔は側(または傍)咽頭腔,副(側,傍)咽頭間隙などと呼ばれていて,その解剖についてはHall1)(1934)およびGaughran2)(1959)などの報告を参照されたい。副咽頭腔に発育する腫瘍の中では良性腫瘍が多く,なかでも混合腫瘍の頻度がもつとも高い。すなわちMcILrath3)はMayo Ciinicにおける30年間(1928〜1958)に101例の副咽頭腔腫瘍を集計し,混合腫瘍が43例でもつとも多かつたと報告している。さらにWork andHybels4)はMichigan大学における11年間(1962〜1973)に40例の副咽頭腔腫瘍を経験し,82%が良性腫瘍で,12%が悪性腫瘍であつたこと,良性腫瘍のなかでも混合腫瘍が14例でもつとも多かつたことを報告している。著者らは副咽頭腔混合腫瘍の1症例をすでに報告5)したが,最近さらに3例の副咽頭腔を占居する混合腫瘍を治療する機会を持つたので報告する。
Three cases of so-called mixed tumors occupying the parapharyngeal space were reported.
It was considered that the tumors originated from the minor salivary glands in the oral cavity and extended into the parapharyngeal space.
Inspection and palpation seemed important for early diagnosis. Computed tomography showed a low density areas within the tumor suggested of formation of cyst.
Operation was performed intraorally under general anesthesia without tracheostomy and ligation of the external carotid artery.
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