鏡下咡語
50巻に際しての想い出と世界一の男の顔
西端 驥一
1
1慶応義塾大学
pp.69
発行日 1978年1月20日
Published Date 1978/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208610
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本誌が本年は50巻になるという。50巻というと50年という事であろう。周知の如く本誌は久保猪之吉先生の創刊になるもので大藤さんがその編集を受けつがれたのは当然である。私はどういう風の吹き廻しか協力させられた。白岩博士が私の編集後記が大いに受けたと褒めて下さつたが一体編集者が投稿論文を批判する権利があるのであろうか,と考えてみた。よく判らないがたとえば1例報告が投稿される。1例報告といえども何か読者を益するものがなくてはなるまい。ところが箸にも棒にもかからないものがある。それかといつて無下に返却する訳にいかない。それで勢い批判せざるを得なくなつたという事ではあるまいか。
編集に苦しんだのは終戦直後の21巻,22巻であつたろう。第一紙のよいのがなかつたしそれよりも投稿論文がなかつた事である。それで仕方がないから私と大藤さんとで何か書いて穴埋めをしたように記憶している。
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