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I.聴覚機構の中での蝸牛
内耳は外耳,中耳の伝音器官と聴神経との間に介在して聴覚経路の中で音刺激を神経へ伝える変換器としての働きをしている。すなわち音としての空気の粗密波,交流を受ける終点であり,神経インパルスを発生させる源でもある。その過程を大まかに考えてみると第1表のようである。
しかし蝸牛の聴覚機構の中での役割は理解されても蝸牛の中心的働きをする毛細胞にしても付着した神経線維にしても単一でなくてそれらの集合体であるから蝸牛全体としてはどのような波形の刺激がくればどのような神経放電の応答が生じてくるのかはまつたく分つていない。したがつて実験的にヒトの内耳への電極移植1)が成功しても電気的刺激をどのようにすればよいかという問題が残されている。
The function of the inner ear is understood to be a transducer by which the sound energy is transformed into that of nerve-electrical potential.
The author attempts to analyse this electrical phenomena of the cochlear apparatus into separate forms, i.e., two forms of static potential and two of receptical potential. Disturbances of these potential depending upon the locality of the lesion, a clinical disturbances of hearing may result.
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