特集 悪性腫瘍
発癌機構と治癒機構—その免疫
小林 博
1
,
及川 恒之
1
1北海道大学医学部癌研究施設病理部門
pp.675-681
発行日 1975年10月20日
Published Date 1975/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208252
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I.はじめに
悪性腫瘍の発生とその治癒に免疫が大きな関係をもつことは意外と知られていない。たとえば発癌性の化学物質はそれ単独で細胞を癌化させると老えられているし,また癌の外科的手術は単純に外科手術そのものによつて癌がなおると考えられがちである。しかし,よく考えてみると発癌機構のなかに占める免疫の役割は決して無視できないものがあるし,また癌の治癒機構においてもまつたく同様である。免疫の介在は間接的なものであることが多いが,癌の発生,治癒に占める意義は意外と大きいものがある。
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