鏡下耳語
日耳鼻地方部会の発足
牟田 実
pp.532-533
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208099
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本年5月,熊本の日本耳鼻咽喉科学会総会において,永年の懸案であつた地方会と支部の問題が結着し,日耳鼻の単位組織として,新しく地方部会が発足することとなつた。
周知のごとく,日本耳鼻咽喉科学会には地方会と支部の2つの組織があり,それぞれ特徴を有しており,お互いが協調して学会活動が行なわれてきた。しかし,地方会は大学を中心として自然発生的に形成された学術研究発表の場であり,支部は都道府県単位に置かれた社会保険医療,学校保健など地域医療の中心であるために,地域によつては両者の遊離や混同がおこり,情報の通達や学会活動が円滑に行なわれず,不便をきたすことも少なくなかつた。地方会,支部の設置は日耳鼻定款第3条,第4条に謳われているが,それらの性格,役割を規制する細則が不備であるために,しばしば混乱の種となり,下部組織が二元的という変則行政が10年間も続いたのである。
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