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日本臨床化学会分析部会の発足
中山 年正
1
1虎の門病院
pp.763
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202354
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臨床検査技術の高度化とともに臨床化学検査を専門として指向する技師や研究者の数は現在非常に多くなっている.日本臨床化学会はこれらの人たちの学会であり,年1回シンポジウム形式の学術討論会を開催しているが,内容が高度であるため現場の問題と多少ともかけ離れた印象があることは否めなかった.これに対し,この7月17,18日にその学会の下部組織として分析部会の発会式ともいうべき夏期セミナーが大阪・中之島の日本生命研修所で開催された.
この分析部会は従来各地区で主に講演会講習会活動を行い,年に夏と冬集中のセミナーを施行し,また,地区ごとに各種の委員会が設けられて種々の検討を行っていた臨床化学分析談話会と我が国の臨床化学の専門誌「臨床化学」を発行していた臨床化学研究会が合併して作られたものである.臨床化学分析談話会は昭和32年に発足し東京では現在まで240余回の例会を行っているほど長い歴史を持ったものであるが,最近はこうした例会(講演会,講習会)のほか委員会(酵素,機器,試薬など)活動から生まれる諸検討の結果が集中的に夏のセミナーで取り上げられ(過去7回),初心者から中堅までの教育に重要な寄与をしていた.一方,臨床化学研究会の発刊する「臨床化学」も編集者の熱意で非常にレベルの高い原著論文が掲載されて,日本の臨床化学の専門誌として広く認められるようになった.今回機が熟して両会は発展的に解消して,装いも新たに分析部会として発足したのである.
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