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「看護連盟」の発足に思う
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1960年6月10日
Published Date 1960/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202102
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4月19日,東京都千駄谷の体育館で行なわれた日本看護協会通常総会は午後4時に終了予定であつたが,延びに延びて,ついに7時40分まで延長した.その後,看護連盟の結成大会が予定されていただけに関係者は,はらはらしながら,会場裏を右往左往する状況もみうけられた.しかも総会の延長理由はすべてこの「看護連盟」をめぐる問題の討議であり,一部では連盟結成を阻止するための計画的延長策戦ではないかと見ているむきもあつた.
それだけに,夜8時からようよう開催することのできた結成大会は,感激の色濃いものであつた.湯槇協会長の挨拶も祝電を読み上げる浅野書記長の声も,感涙にむせんでとぎれかちであり,会員席も,涙をぬぐう人々が多く見られた.連盟発足に当つてまさに産みの苦しみをなめて来た人々にとつて,感激の一時であつたにちがいない.また協会のあゆみを一歩一歩進めて来た人々にとつて感概無量のものであつたにちがいない.会場2階の片隅で,この日の総会の進行を洩らさず見つめていた石垣純二氏が,連盟発足に当つて心からの笑顔と拍手を送つている姿も,熱心なシンパの姿として印象的なものであつた.
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