Japanese
English
--------------------
喉頭と甲状腺の重複癌症例
MULTIPLE CARCINOMA INVOLVING THE LARYNX AND THYROID GLAND
滝本 加代
1
,
佐藤 武男
1
Kayo Takimoto
1
1大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.251-254
発行日 1974年4月20日
Published Date 1974/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208049
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
1869年,Billroth1)により初めて重複癌の報告ならびに定義が提案されて以来,数多くの症例報告がなされている。また多数の症例を統計的に検討した論文も多く見られる。
今回,われわれは喉頭と甲状腺に同時に重複発癌した症例を報告する。
重複癌の組合せは,消化管(特に胃癌),肺,生殖器などが多く,喉頭と甲状腺の組合せは稀であると思われる。
本症例において,喉頭癌については,術前に確診を得ていたが,甲状腺については,単なる腺腫である可能性を考えており,術後の組織検査により甲状腺癌を伴う重複癌であることが判明した症例である。
A multiple primary malignant tumor of the larynx and the thyroid gland in a man, aged 55, is reported. A review of literature revealed that there is, in the area of ENT region, an increasing tendency in occurrence of multiple primary cancers year after year recently.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.