特集 小児耳鼻咽喉科疾患
小児頭頸部悪性腫瘍
佐藤 武男
1
1大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.793-801
発行日 1972年10月20日
Published Date 1972/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207841
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Ⅰ.緒言
医学のめざましい進歩によつて,小児疾患は大きい変貌を示している。死因統計でみると従来の低栄養,感染症などは激減し,かわつて小児がんが登場してきた。外傷とともに悪性腫瘍は小児の生命を奪う最大の疾患群として臨床医学の各領域において問題となつている。小児がんは先天性,胎児性腫瘍が多く,これが小児がんを大きく特徴づけており,5歳以下に多く,予後はきわめて悪い。したがつてその悲惨性のために社会学的な問題も含んでおり,近年大きく取りあげられるようになつた。
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