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Ⅰ.まえがき
「めまい」を訴えている患者の身体運動の平衡機能を検査するときに,われわれはまず,検査の手はじめとして,患者の立直り反応(反射)を調べる。これは患者が起立し得る程度の平衡失調のものでは,立直り検査は手がるに行なえ,被検者に身体的な負担がかからないのみならず,患者の身体運動の平衡機能の状態を全般的に捉えるためにもつとも良い方法である。とくに,立直り検査は床の上か,斜面台の上に立たせた被検者の身体のバランスを観察するのであるから,もつとも簡単に行なうのなら,検者は肉眼で身体の動揺の程度を検査すれば良いから,きわめて検査は容易である。したがつて,この方法は平衡機能を検査する最初のアプローチとして好んで行なわれる。
しかし,ここに一つ重要な問題がある。立直り検査の成績から何を判定するか?である。つまり,この検査成績からは被検者のバランスの良否,すなわち,立直り反応(反射)の状態がわかるのみである。ところが,従来,つぎのような誤りがしばしば行なわれている。すなわち,この検査によつて平衡障害の病巣診断が可能であるなどの考え方がそれである。
Fifty four cases of patients suffering of dizziness were examined from the standpoint of their static conditions by means of Romberg, Mann and tilting tests. The results obtained were classified into 6 types.
The authors state that each type shows the equilibrial state of the individual but no clue to the localization of the lesion.
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