症候群・徴候・24
Romberg (ロンベルク)徴候
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.1061
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203616
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M.H.Rombergがはじめに脊髄癆性運動失調患者で「起立位で閉眼させると,即座に(sofort)動揺し,よろめきだす」と記述した(独,1846)現象をRomberg徴候と呼んでいる。従つて,考証的には脊髄跨における閉眼静止起立障害をRom—berg徴候と呼ぶべきであるが,実践的には他の疾患における極めて類似した現象もRomberg徴候として取扱われる。すなわち,Romberg徴候には脊髄癆性,前庭迷路性,末梢性の三種が分けられる。
脊髄膀性Romberg徴候は(閉眼前に,すでに,足を揃えて起立静止すると,下肢,躯幹が細かく動揺しているが),閉眼すると直ちに体の動揺が増強し,よろめき,顛倒するに到る。これは下肢の位置覚の障害のために,視覚をさえぎると,平衡が保てないためと解釈されていることが多いが,位置覚のテストでは全く正常に保たれているのに明らかなRomberg徴候をみることがあり,もつと上位での障害をとなえる説もある。
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