姿勢・位置異常アトラス7
Wernicke Mann肢位
大友 英一
1
Eiichi Ohtomo
1
1浴風会病院内科
1Yokufukai Geriatric Hospital
pp.478-479
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204062
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内包性片麻痺(中枢性錐体路障害)に特徴的といえるもので,脳卒中後遺症に最もしばしばみられるものである。脳卒中急性期は多くは弛緩性であるが次第に痙性となるのが常であるが,その時期はまちまちである。筋トーヌスが亢進し痙性となることは運動機能の回復の上ではむしろ望ましいものである。この痙性片麻痺が最後にとる肢位の多くはWernicke Mann肢位である。
上肢は肘関節,手関節,指関節で屈曲し高度の場合は上腕,肘関節部が側胸部にぴつたりついた形になる。肘関節は90°以上屈曲することが多い。指関節はこぶしを作つた形に強く屈曲し,手関節も屈曲している。前腕は回内位をとる。肘関節の屈曲拘縮は受動的にある程度伸展し得るが,指の屈曲拘縮の受動的伸展はかなり困難なことが多い。
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