連載 神経学を作った100冊(6)
Romberg Sign 1840
作田 学
1
1杏林大学神経内科
pp.646-647
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100089
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ロンベルク(Moritz Heinrich Romberg,1795~1873)は,ドイツ神経学の祖とされる。17世紀から18世紀にかけて神経病学はイギリス,イタリア,スイス,フランスに中心があったが,ようやくロンベルクがチャールス・ベルの著書を翻訳することにより,ドイツに広がっていく。
ロンベルクの生涯は故豊倉康夫東京大学教授1),高橋 昭東海中央病院名誉院長ら2)の論文に詳しい。
さて,ロンベルクが医学史に登場するのは,前述したようにチャールス・ベルの名著“The Nervous System of the Human Body(人体の神経系)”を翻訳したことに始まる3)。イギリスでは1830年に発刊されたが,早くも1832年にはベルリンで翻訳出版している。この本の付録として,ヨハネス・ミュラーによって,ベルの新しい実験による脊髄の2つの枝の研究という小論文が載せてある。これはもちろんベルに好意的な論旨になっている。
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