特集 耳鼻咽喉科診療の経験と批判
上顎癌
佐藤 靖雄
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.801-806
発行日 1970年10月20日
Published Date 1970/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207538
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癌治療の要は早期診断,早期治療といわれているが,上顎癌には早期診断のきめてとなるものがない。腫瘍がかなり大きくなつて鼻閉,鼻漏,歯牙の異常感などの症状がでてからはじめて受診するが癌であることの診断がつけにくいため,鼻茸や副鼻腔炎の治療中に出血し易いことや治療経過の悪いことで,あるいは副鼻腔炎の手術中に上顎洞内に腫瘍をみて診断が確定することがある。このような場合に臨床医ならだれでも容易に実施できて,しかも効果のある治療法としての三者併用療法の経験と批判を述べてみよう。
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