特集 耳鼻咽喉科診療の経験と批判
副鼻腔炎
赤池 清美
1
1社会保険都南総合病院耳鼻咽喉科
pp.757-760
発行日 1970年10月20日
Published Date 1970/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207530
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Ⅰ.急性副鼻腔炎
昭和24年頃よりペニシリンが入手できるようになつてから急性副鼻腔炎の治療は一変した。
鼻処置などは同じであるがその他にペニシリン注射やペニシリンのネブライザーやプレッツ法などが行なわれるようになり1),その後各種抗生物質,抗ヒスタミン剤2),ステロイド,各種アレルゲン製剤などが登場するにおよんで治療はさらに容易になつた。しかし初期に著明な効果を示したペニシリンネブライザー,プレッツ法などは病原菌の耐性獲得のためか漸次効果は減少しており抗生物質や抗ヒスタミン剤などの内服の方が効果があると考える。なお数年来蛋白分解酵素剤3)が副鼻腔炎治療に用いられるようになり,その効果の機転なども解明されないまま治療に用いられているがその効果は十分とはいえないように思われる。
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