外科医に必要な耳鼻咽喉科common diseaseの知識・1【新連載】
難聴,耳鳴
小林 一女
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.770-771
発行日 1998年6月20日
Published Date 1998/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903211
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難聴
1.疾患の概念
難聴は外耳から中耳までの障害で生じる伝音難聴,内耳から中枢の障害で生じる感音難聴,両方の障害を持つ混合難聴に分類される.それぞれ急性に発症するものと徐々に進行する疾患がある.急性に発症する伝音難聴には急性中耳炎,外傷性鼓膜穿孔,外耳道異物など,感音難聴には突発性難聴,外リンパ瘻,メニエール病,ムンプス難聴,音響外傷,気圧外傷などがある.徐々に進行する伝音難聴には慢性中耳炎,耳硬化症などがあり,感音難聴では騒音性難聴,加齢によるものなどがある.急性に発症するものでは特に耳鳴を伴うことが多い.突発性難聴,外リンパ瘻,メニエール病ではめまいを伴うことが多い.その他側頭骨骨折では種々の程度の難聴を認める.自己免疫疾患,膠原病(RA,SLE,高安動脈炎など)に伴う感音難聴もある.今回は急性に発症する難聴を中心に解説する.
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