特集 耳鼻咽喉科手術の危険度
喉頭
気管切開の合併症
本多 芳男
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.805-811
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207368
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
喉頭ヂフテリーの減少に伴い,一時減少したかに見えた気管切開術の件数も,本手術適応の拡大によつて再び増加をたどつており,それとともに麻酔科医,一般外科医による手術件数が増加してきた。
抗生物質・副腎皮質ステロイド剤の普及は気切の合併症,後遺症に対しても大きな抑制効果を示しているが,しかし気切合併症は一向に減少しないのみならず,内腔の瘢痕狭窄に移行するような重大な合併症に遭遇する場合さえ往々ある。手術の合併症を減少させるためには,当然局所解剖に精通し,正しい手術を行ない,術後管理も厳重に行なうことが必要で,そのためには術後の治癒機転についても熟知していることが大切である。本手術においてももちろんこのことはあてはまるが,しかし紙面の関係もあり,またこのことについてはすでに詳しく報告してある1)2)ので省略する。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.