特集 耳鼻咽喉科手術の危険度
喉頭
声帯ポリープ
林 義雄
1
1慶応大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.803-804
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207367
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声帯ポリープの手術は,外来で行なわれるごくありふれた手術といえよう。ただ馴れないために敬遠される気味があるのは残念なことである。入院,全麻で行なえば,らくなことはよくわかるが,患者の負担も大きいばかりでなく,開業医全部がそのような設備を持つているとは考えられない。それに反して間接鏡的に行なえば,入院の必要もないばかりでなく,患者の苦痛も少ない。しかしそれには熟練が必要である。それには喉頭鏡を常に左手で持つて喉頭を診る習慣をつける必要がある。いつもは右手で持つていて手術のときだけ左手に持ち代えたのではうまくゆくわけがない。明視は一点しかないほど微妙なものであるからである。従来のほとんどの教科書に喉頭鏡を右手で持つように画かれている。ただ九大系の教科書に岩本教授,気管食道科学で日大の斎藤教授が左手で持つようにかかれているに過ぎない。
声帯ポリープの手術は特別に危険ということはないが,次の3項目について述べてみたい。
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