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I.はじめに
細菌感染症に対する抗生物質療法は,その進歩発展の歴史は古く,1928年英国のA.Flemingがブドウ球菌の培養実験中に,偶然青かびの1種Penicillum notatumがブドウ球菌の発育を阻止することを見出し,これをPenicillinと命名した。1938年Florey,Chain,Heatleyらの一連の学者らは,実験的レンサ球菌感染症の治療実験に使用し,さらに1941年始めて臨床例の応用で,卓越した治療効果をあげ,一躍感染症治療に革命的な治療武器として登場した。
今日の抗生物質療法は,実にこのPenicillinの発見が端緒となり,その輝しい開幕がみられたわけで,これに続いて1954年米国のSelman A,Waksmannは,Streptomyces grieseusの培養濾液中よりStreptomycinを発見,また1947年米国のBurkholder,Ehrlich,BartzらによりChloramphenicolが開発された。さらに1948年米国のDuggarらによりStreptomyces aureofaciensの培養濾液からChlortetracycline,1950年FinlayらによりOxytetracycline,また1952年米国McGuireらによりErythromycinが発見されるなど,幾多の抗生物質の研究開発は着実に,しかも驚異的な進歩発展をとげ,これらのおびただしいまでの抗生物質が相ついで臨床医に提供され,たかい治療効果をもたらしてきたことは周知のとおりである。
The author makes a review of the course of development of antibiotics in the past and lists those which were recently developed such as enduracidin, doxycycline, clinimycin, carbenicillin and josamycin. These products were mentioned with high regards at the symposium of the Japan Drug Therapy Society. Clinical aspects of these antibiotics are being further investigated by the author.
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