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I.はじめに
プロタルゴールは耳鼻咽喉科外来に常置され,各種耳鼻咽喉科疾患に用いられている。多くの薬剤が次から次へとわれわれの手許にとどけられ,また次第に忘れられてゆくなかで,プロタルゴールは昔も今も変らず愛用されている薬剤の一つであろう。しかし時々プロタルゴール過敏症の報告があり,その使用が習慣的,無批判的であつてはならないことが警告されている。
プロタルゴール過敏症についてはアナフィラキシー様の重篤な症状を呈するものから,単にくしやみあるいは水様性鼻漏の一時的増量にとどまるものなど,現われる症状は多様多彩である。またこの症状発現の際,直接に抗体を証明したものもなく,重篤な症状を呈するもの以外はアレルギー反応として扱うよりも化学的あるいは物理的刺激として考えられる傾向もあつた。
最近われわれはプロタルゴールの鼻腔内塗布により全身症状を呈した症例に遭遇し,その患者血清中に始めてプロタルゴール抗体を証明した。そこでこの症例について報告するとともにプロタルゴール・アレルギーの発現について考察を加えることにした。
It was found that protargol allergy developed when the patient affected with allergic rhinitis was continuously treated by intranasal application of protargol solution; the presence of protargol antibody in the blood was also shown for the first time.
Patients with allergic rhinitis are generally found to be highly sensitive to protargol skin-test. And any drug that might be used continuously in such a patient may cause a build-up of allergic reaction to that particular drug.
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