薬剤
結合エストロゲン複合体の止血効果について
鳥山 稔
1
,
星野 知之
1
,
佐藤 靖雄
1
1東京大学耳鼻咽喉科学教室
pp.333-336
発行日 1967年3月20日
Published Date 1967/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203750
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はじめに
耳鼻咽喉科領域においては,自発性出血,手術時の出血,いずれの場合においても,解剖学的に視野が狭く,深い場所が多いので,暗い部位で止血をおこなわなければならない。またこの領域の血管分布は複雑で,実質性,骨出血をともなうことが多く,外科領域におけるごとく出血部位を確認し,鉗子をもちいて止血,結紮をおこなうのと止血法が本質的にことなることが多い。また手術中の出血は,視野を妨げ,手術時間をいちぢるしく延長する。
こうしたことから耳鼻咽喉科領域においては,脳外科とともに,各種の作用機序のことなる止血剤を多く使用してきた。
われわれは,近年止血効果のあるといわれる結合エストロゲン複合体(Premarin)の止血効果について検討をくわえたのでここに報告する。
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