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Ⅰ.緒言
近時薬学の進歩により各種疾患の治療成績は飛躍的に向上し耳鼻咽喉科領域においても例外でなくこの恩恵に浴しているが,反面きわめて難治性のいくつかの疾病がクローズアップされる結果となり,その原因,実体,過程と療法について一段と深い研究が進められている。すなわち耳鼻咽喉科領域の難性疾患の例として,耳鳴,めまいなどの症状を随伴する一連の聴覚障害または嗅覚脱失症などがある。これらに対しては近時の進歩した薬剤をもつてしても必ずしも満足すべき治療結果が得られているとはかぎらない。これはその疾病自体が十分に解明されてないともいえるが,その研究成果を得る努力とともに新薬の登場を期待すること大である。
われわれは今回大日本製薬株式会社の好意を得て,耳鼻咽喉科領域としてはじめて,めまい,耳鳴,聴覚障害および嗅覚障害に対し新薬ボニトン(Boniton)を使用しその検討の機会を得たので報告する。
Boniton which is composed principally of adenosine was administered with good results to patients complaining of nerve deafness accompanied by vertigo and tinnitus, nerve deafness with tinnitus only or vetigo only and to 5 other patients who complained of anosmia, in dosage of 30 to 90mg per day for the period of 2 weeks.
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