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Ⅰ.はじめに
感音系障害に対する薬物療法については,従来から非常に多くの報告があり,使用薬剤の種類も,代謝促進剤,組織呼吸賦活剤,末梢循環改善剤,向神経作用剤,向自律神経剤,抗アレルギー剤,副腎皮質ホルモン剤,など非常に多岐にわたつている。そして,このような作用の異なる諸種薬物が,いずれもある程度まで奏効しながら,あまりその治療効果に優劣がなく,現在なお,とくに優れた効果を期待し得る薬剤が確立されていないということは,臨床上,たんに難聴,耳鳴,または眩暈として示される感音系障害,あるいは臨床上同一診断名で取り扱われている感音系障害が,いくつかの異なつた病態と,その誘因とを背景として発症していることを意味していよう。
いいかえれば,感音系障害には上記各種薬物のそれぞれに異なつた適応例があるということで,感音系障害に対する薬物の治療効果を検討する場合には,有効性をみるよりも,その薬剤がもつとも奏効するような感音系障害の適応例の選択とその特徴的所見を解明することの方が,臨床的には重要なのである。
Duvadilan was used in the treatment of perceptive disorders among 21 patients, 37 ears. The perceptive disorder in general is comprised of various causative factors yet. duvadilan appeared to be effective in 40% of cases. With treatment of cases of autonomic disturbances alone such as tinnitus aurium the agent was effective in 80% of cases.
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