薬剤
末梢前庭性眼振と薬物—ズファジラン(Duvadilan)の使用経験
鳥山 寧二
1
,
五島 一吉
1
,
丹羽 一成
1
,
奥富 厚
1
,
宇都宮 元始
1
1武蔵野赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.157-163
発行日 1968年2月20日
Published Date 1968/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203915
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I.はじめに
末梢前庭障害に起因する"めまい"にたいしては従来から色々の薬物療法がなされている。末梢前庭障害の代表的な疾患としてメニエール病や内耳炎などがあげられる。これらの疾患の急性期にはめまいに随伴する末梢前庭性の自発眼振が認められる。
末梢前庭性の"めまい"は自発眼振を伴つて出現し,まためまいの消失とともに自発眼振も消退するのが特長とされているので薬物の投与による自発眼振の変化から,間接的ではあるが,薬物の影響や効果を客観的にとらえることができる。
このような見地から,われわれはIsoxsuprine(Duvadilan,ズファジラン)というAdrenaline受容体物質の末梢前庭性眼振およびメニエール氏病に対する効果について検討を行なつてみた。
あわせて1.メニエール病の薬物による治療効果の判定,2.末梢前庭性眼振と薬物,3.ズファジランの臨床的応用などについて文献的考察を行なつてみた。
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