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Ι.緒言
いわゆる毛細血管拡張性肉芽腫またはBotryomycosisと称される疾患は,現今の皮膚科学教科書19)によるとPyodermiaの範疇に属せられ,ことに外傷に関連した一種の炎症性肉芽腫と一般に考えられているが,ことに本疾患のEtiologyについて従来より多くの興味ある問題内容を呈し,現在においてもなお,腫瘍ことにCapillary hemangiomaとの関連性に問題を残している疾患である。本邦における本疾患の報告は,茂木(1908)14)のそれを嚆矢とし,その後主として皮膚科領域において多数の報告,研究を見ているが,耳鼻咽喉科領域においてはほとんど文献上にこれを見ず,わずかに三塚(外耳道入口部)9),前田(喉頭)10)等の報告を見るにすぎない。斬る傾向は欧米においても同様であり,Manning11)の指摘しているごとく,本疾患の本態が耳鼻咽喉科医の多くに,当然あるべき程によく知られていないためと解される。最近われわれは,われわれの経験した耳鼻咽喉科領域における本疾患10症例について報告し,本疾患に関するわれわれの見解を2,3述べる次第である。
Ten cases of granuloma teleangiectaticum involving the region of the head and neck are reported. The authors state that occurrence of this disease in this particular area is not at all rare. Some of these cases histologically appeared to be infectious capillary hemangioma but,in general,they should be considered as sarcomatous in character.
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