Japanese
English
連載 皮膚科学に貢献した医学者たち・23
末梢血管拡張性肉芽腫
Granuloma teleangiectaticum
高橋 吉定
pp.414-417
発行日 1975年5月1日
Published Date 1975/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201437
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.病名について
末梢血管拡張性肉芽腫は,化膿性肉芽腫(granuloma pyogenicum)とか,有茎性肉芽腫(granulomapediculatum)とかの別名もあるが,これらは後にできた名称で,初めはドイツ語でボトリオミコーゼ(Bo—tryomykose)といわれた.人間における本症はフランスのポンセの命名にかかわるが,彼が人間においてこの皮膚病を見た数年前に,馬における同様の疾患にボトリオミコーゼの名が与えられていたのである.当時,馬における本症はボトリオミセス属(Botryomyces)の菌によつて生ずると信じられたので,上記の病名が作られたのである.現今,この属は微生物の分類からは抹消されていて,実際の内容は不明である.馬に発生した本症にbotryomycosisequiの名があるのに対し,人間の本症はbotryomycosis hominisともいい,ポンセの論文には後者の意味の名称が使われている.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.