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Ⅰ.緒言
われわれは,いわゆるsudden deafnessについて,これまでにいろいろな方向から検討を加え数回にわたつて発表してきたが1)2)3)4),残された課題の一つとして治療および予後判定の問題がある。治療に関しては,sudden deafnessは原因不明の症候群であり,真に有効であると断定しうる治療はいまだに知られていないといつてよい。しかしながら,治療によつて―あるいは自然治癒であるかも知れないが―劇的に回復する例にしばしば遭遇することは周知の通りである。発症直後の本疾患患者をみたとき,すみやかにこの予後を判定する必要に迫られることがあるが,回復過程に関する多数例の発表がいまだなされていないため,発病初期における予後の判定は至難の業である。今回われわれは,良好な回復過程を示した症例を中心に,その予後についてまとめたのでここに発表する。予後判定の上で多少とも参考になれば幸いである。
The course of sudden deafness was studied in 36 cases of such a deafness which were considered to have taken the favorable recovery.
On the other hand, regardless of their being good or bad in prognosis, these cases may be divided categorically into two large groups. These groups are commented and discussed.
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