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Ⅰ.緒言
慢性副鼻洞炎の治療法に関しては,手術術式の可否が久しい間論争の中心になつており,近年では単に副鼻洞の炎症そのものを対象とするのみでなく,鼻副鼻洞炎として鼻腔の病態に対しても目がむけられ,解剖学的異常の矯正だけではなく固有鼻腔の病的粘膜除去という積極的な手段を取ることを可とする者が多くなりつつある。このことは単に膿汁排除をもつて症状の改善を企図するばかりでなく,病的粘膜の瘢痕治癒を目的とするもののごとく解される。
また慢性副鼻洞炎の成り立ちについても,解剖学的原因はもとより,細菌感染,物理的化学的刺激,さらにアレルギーの概念も導入され,病理学的な立場からは網内皮系,自律神経系,血管内皮細胞の問題,さらには内分泌機能の異常などきわめて多彩な考え方が打出されている。高橋教授らの最近の報告では,環境とくに栄養がこの疾患の背景に大きな役割を持つていることを示唆した。
The administration of lysozyme, a mucopo-lysaccharidase, following unilateral operation of maxillary sinus caused not only a marked improvement of clinical findings on the opera-ted side, but also showed a similar effect on the nonoperated side.
These results were confirmed by tissue examinations. Difference of the clinical eff-ects betweeen mucopolysaccharidase and pro-teolytic enzymes on chronic sinusitis were remarked.
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