薬剤
粘液多糖類分解酵素剤Leftoseの慢性副鼻腔炎への臨床的応用
岩沢 武彦
1
1札幌逓信病院耳鼻咽喉科
pp.767-776
発行日 1967年7月20日
Published Date 1967/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203799
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I.緒言
消炎酵素剤の臨床面への応用は,1952年InnerfieldらによりTrypsinを血栓性静脈炎の患者に注射した際期待した線維素溶解作用による血栓融解現象は起こらず急性炎症症状の緩解消失を認め蛋白分解酵素(Proteases)の抗炎症作用を見出したことに端緒を発し,いわゆるenzymatic debridemetとして各種の炎症性疾患の治療に活用されるにいたつた。
今日酵素療法は,基礎的問題すなわち生体組織内における酵素の果す複雑な作用機構の解明がほとんどなされぬまま広汎に治療医学の領域に導入され,臨床的使用があまりにもさきだちすぎた恨みが多分にある。
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