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耳科医である私が昭和36年6月22日以来37年2月28目までの8ヵ月間に6回耳性「めまい」を繰返したので,その経験を患者の立場に立つて報告してみようと思う。
先ず私の既往症について述べると,明治25年生の男子である。幼少時は偏食甚しく夜盲症,青年時は脚気などを経過している。少年時下肢,手指,又数年前(66歳)墜落し,肋骨骨折など外科医の厄介になつたことはあるが,その外は著患もなく遺伝的にも特記すべきものもない。眼は元来遠視,乱視の軽いものに老眼が加つている。神経障碍,運動横能障碍等もない。然し「めまい」と関係があるかと思われるものがある。それは船酔いし易いことである。嘗て渡欧の際,台湾海峡,香港島を廻わつた場所,紅海などで3回船揺れにあい1等船客で食堂に出なかつたのは私1人だけであつた。又同僚諸君と共に互に回転椅子による眼振検査を試みた際,検査後立つていられず横臥したのも私だけであつたこともある。これを以てみると私の前庭機能は或は鋭敏なのかも知れぬ。猶前記肋骨骨折をやつた時のことをかえりみると次のような状態であつた。
A personal account of dizziness of one who is an ENT specialist is given; the cause of dizziness is apparently hypotension. The at-tack of dizziness occurred at different occa-sions within the past 8 months. Carnigen tablets were used to control these attacks. These attacks, however, seemed to have been prevented if the diastolic blood pressure could be maintained at or above the pressure of 80mm of mercury.
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