特集 耳鼻咽喉科におけるショック様症状とその対策
〔各論〕
薬物によるショック様症状とその対策
〔2〕特に臨床の面より
村中 正治
1
1東京大学内科物理療法学教室
pp.1011-1022
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203159
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患者の治療にあたつて,病気を癒すために投与した薬剤が時に生体に思いがけない激しい副作用を出現させる場合のあることはすべての臨床医がもつているにがい経験であろう。
この傾向は,近年ぞくぞくと新薬が誕生して,従来難治とされていたいくつかの疾患を投薬というもつとも穏和な方法によつて治癒せしめうるようになつた輝かしい近代医学の発達とは逆に,着実にその数をまして,医師にも,患者にも恐怖を与えていることは,いずれの国家にもみられる共通の現象であって,いわゆるiatrogenic diseaseの対策の必要が強く叫ばれはじめた大きい原因である。
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