視座
整形外科の2つの面
吉川 靖三
1
1筑波大学臨床医学系整形外科
pp.195
発行日 1982年3月25日
Published Date 1982/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906495
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われわれ整形外科の仕事には,力学的,機械的な面と,生物学的要素との2つの面がある.骨折治療などは前者を多く要し,リウマチや代謝疾患の治療には後者が多く必要である.そして整形外科医によって,どちらかの要素,物の考え方を多く持っているか,人によって違いがあるように思われる.
私共の恩師三木威勇治先生は,どちらかというと後者を重視された.先生はわれわれ若い者の骨折手術で,大きなプレートの入ったX線写真をごらんになると,骨は材木ではないとよく言われたものであった.骨の生物学的特性を無視しないように戒められたものである.近年繁用されている大きなAOプレートをごらんになったら,先生はなんと言われるであろうか.
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