特集 耳鼻咽喉科におけるショック様症状とその対策
〔各論〕
手術によるショック様症状とその対策
林田 健男
1
,
森岡 幹登
1
1東大分院外科
pp.1025-1032
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203160
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はしがき
「手術とショック」は,外科臨床家にとつていわば宿命的とも呼べる命題であろう。体外循環や低体温の応用を一つの頂点とする外科管理学の著しい発展が,開心術のような大侵襲の危険をも最小にしつつある現在,なお,いかなる小手術に際してもショシク発現の可能性は存在するのであり,私共は日常メスをとりながら絶えずこれを念頭におき,予防・治療に心がけている次第である。
可能性からいえば,あらゆる型のショックが,手術を契機としてあるいはそれに随伴して起り得る。手術操作そのものが,後にも述べるようにいろいろなショック催起因子を含むことは論をまたないが,その他にも,手術を中心とする臨床条件の中には,ショック発現に関係する多数の因子が含まれている。
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