特集 耳鼻咽喉科におけるショック様症状とその対策
〔各論〕
薬物によるショック様症状とその対策
〔1〕特に基礎の面より
木村 義民
1
1日本医科大学細菌学
pp.1005-1010
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203158
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1.はじめに
今日薬物を中心とするショックには,麻酔剤,ワクチン,水銀剤,ペニシリンを始めとする抗生剤,ACTHや副腎皮質ホルモンによるショックなどがあげられる。
本誌の目的とする耳鼻咽喉科関係のショックといわれるものの中で,手術そのものによるショックに比して薬物恐らくは局麻剤などの使用によるショックの発生率は極めて高いといわれている。しかも東京監察医務院における手術に関連した不慮死の屍体解剖例数の内訳からみて,耳鼻咽喉科におけるショック死例は外科・婦人科に次ぐ頻度を示していることからしても,耳鼻咽喉科領域における薬物ショックの重要性がうかがえる。
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