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泌尿器外科領域に於けるエリスロマイシン
古澤 太郎
1
1北海道大学医学部泌尿器科教室
pp.698-700
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201312
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McGuire等(1952)により発見された新抗生物質であるErythromycin(Ilotycin)の細菌学的研究及びその治療効果等についてはMcGuire,Haight,Finland,Heilman等によつて詳細な紹介がなされて以来,本邦に於ても既に数多くの臨牀報告があり,殊にその外科的応用については白羽,石山,石井等の報告があり又泌尿器科領域に於ては田村,谷村等の淋疾治療に関する報告が見られる。
従つて更にここでErythromycinに関する詳細な紹介を重ねる必要はないが,由来尿路系器官は細菌感染を受け易く又そのためそれらの術創も汚染され易く遂には尿瘻形成等を来して仲々治癒困難な事が少くなかつた。然し今次大戦後Penicillinを始めとする各種抗生物質が逐次発見されて普及される様になつて以来,他の領域の場含と同様に泌尿器科領域の術創治癒の成績も目立つて良好となつたことは周知の事である。然しながら一方今日では抗生物質の連用又は乱用による細菌の耐性獲得が問題となり,臨牀的にも従来の抗生物質のみでは最早難治なものも漸く出現しつつある様な状態である。
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