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エリスロマイシンによる男子尿道炎の治験
川村 太郎
1
,
西原 勝雄
2
,
近 小彌太
3
1金沢大学医学部皮膚泌尿器科教室
2金沢市保健所
3金沢大学
pp.117-121
発行日 1955年3月1日
Published Date 1955/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201372
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緒言
Penicillin(以下Pc.と略記)の発見以来相次ぐ抗生物質の出現によつて各種感染症の治療に大きな光明がもたらされ,いま又第6番目のものとしてErythromycin(以下Emと略記)が登場した。
Emは1952年Eli-Lilly LaboratoryのMc-Guire等によつて Streptomyces erythreusの培養濾液から分離された新抗生物質である。その抗菌スペクトルはMagnamycin,Pc及びBac-itracinのそれに類似し,主としてグラム陽性の球菌及び桿菌並びにグラム陰性の球菌に及ぶものであり,ヴィールス及びリケツチアの一部にも有効であると云う。従つて各種感染症に対する応用範囲も広く,臨牀的普及度も迅速で1954年版のWalter u.Heilmeyerの著Antibiotika-Fibelにも既に数頁に亘つて記載されている程である。本邦に於いても白羽教授の紹介に始り既に基礎的実験は勿論各領域に於ける多数の臨牀成績が報告されて居る。泌尿器科領域に於いては田村教授等或いは谷村氏等の淋疾治験成績が発表され,次いで稲田教授等,三矢教授等,今北助教授等の報告などが続いて居る。
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