特集 鼓室形成術
鼓室成形手術術式の概要とその動向(付:Stapes surgery)
橋本 泰彦
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科
pp.823-835
発行日 1962年10月20日
Published Date 1962/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202923
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I.はじめに
鼓室成形術,Tympanoplastik,或いは中耳再建手術,Reconstructive Middle Ear Surgeryの名のもとに手術が始まつて以来,わが国でも約10年を経過し,手術施行例も数千例にも達するのではないかと推定され,その間学会に於ても毎回数題が提出され,欧米の文献にも必ず2,3題は目に付く。殊に1959年シカゴで行われたReconstructive Middle Ear SurgeryのWorkshop(Archives A. M. A.)を見るとWullstein,Shambaughを中心とする欧米の学者を集めての検討会は従来の経過の総仕上げの様にも思われ吾々には好参考資料となつた。あれから既に3年経過してその間に日本の報告も欧米と肩を並べて多数発表されている。この辺で一応わが国及び欧米の現況を観察して本手術術式による効果の概要とその動向に就て述べ様と思う。
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