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チオクタンによる神経難聴の治療成績
関谷 忠雄
1
,
酒井 正美
1
1国立名古屋病院耳鼻咽喉科
pp.626-629
発行日 1961年7月20日
Published Date 1961/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202707
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I.緒言
神経難聴はわれわれ耳鼻咽喉科専門医にとつて治療に困難を感ずる疾患の一つであるが,近年本疾患に対して各種の薬物治療が試みられかなりの好成績を挙げ得るに至つた。私共も今日までにわれわれの外来を訪れた神経難聴の患者にビタミンB,コンドロイチン硫酸,ニコチン酸,パントテン酸,ATP,パロチン等各種薬物による治療を試みその効果を検討しているが,最近チオクト酸も神経難聴にも有効であるという報告がみられるので私共も本剤の使用効果を検討した結果かなり有効であることを認めたのでその成績を報告する。
チオクト酸製剤としては藤沢薬品K.K.よりチオクタンの試供を受けたのでこれを試用してみた。
In 22 cases 42 ears tioctan was administered intravenously daily for 30 dosages, the daily dose being 25mg in 5 cc ampules. The agent appeared to be effective in 52% of cases ; with a marked effect in 17% of the latter number.
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