Japanese
English
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2,3皮膚疾患に対するチオクタンの応用
ADMINISTRATION OF TIOCTAM FOR SKIM DISEASES
石田 啓
1
,
赤井 昭
1
Kei ISHIDA
1
,
Syo AKAI
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology; Niigata University School of Medicine
pp.716-718
発行日 1959年7月1日
Published Date 1959/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202598
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Thioctic AcidはビタミンB群の中でも新しいものの一つで,1951年Reedにより肝臓から純粋に抽出されその後生物学的活性及び化学構造式が確認された。これは生体内において解毒,肝代謝賦活,脳代謝賦活作用や利尿,ACTH様作用,血中コレステロール低下作用,成長促進作用などが上げられ,以来これらの作用機序が解明され,同時に臨床的応用が開拓されてきた。ために肝性昏睡に著効をみた他に一般肝疾患,心臓疾患,糖尿病,多発性神経炎,胃腸疾患,血液疾患並びに急性又は慢性中毒などにも種々試みられ,特に最近では妊娠悪阻などにも広く応用され予期以上の効果をみるようになつた。
処で最近,本製剤としてチオクタン注射薬(内容はDL-チオクト酸の結晶で1cc中にチオクト酸5mgを含有)が藤沢薬品工業株式会社から発売された。会社より私達は本剤の提供を受け,上述の見解のもとに皮膚科領域の比較的治療困難なアレルギー性疾患など2,3のものに応用し,予期以上に劇的効果をみることができたので報告する。
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