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メニエル氏症候群に対するPerphenazine(Triomin)の使用経験
永倉 鋼太郎
1
,
隱明寺 覚
1
,
西郡 正
1
,
三谷 安義
1
1同愛記念病院耳鼻咽喉科
pp.697-699
発行日 1960年8月20日
Published Date 1960/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202513
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I.緒言
1950年Chlorpromazineが合成され,翌年これが人工冬眠に応用され,更に自律神経遮断作用を中心とし多彩な作用が認められているが,一方眩暈,心悸亢進,口内乾燥感染等の副作用が報告され,長期使用に堪えないものがある。之に対しPhenothiazine誘導体を始めとし,Propanediol誘導体であるTranquilizerが以上の欠点を改良して登場して来た。
William Amols博士によれば,極めて頑固な眩暈,悪心眼振を示した患者に偶然少量のPerphenazineを静注したところ劇的な反応が認められ,之を契機として10数例のメニエル氏症候群の患者に応用し,約半数の症例では発作の消失がみられなかつたが,どの症例においても眩暈は軽快し,悪心,嘔吐が消失するのを認めたと。
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