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進行性壊疽性鼻炎の1剖検例
菅野 亨
1
,
内田 一男
1
,
石川 秋津子
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.632-634
発行日 1960年8月20日
Published Date 1960/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202498
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I.緒言
顔面及び上気道より発生し,進行性壊疽性崩壊を営みながら殆んどの場合予後不良の転帰をとる一種独特の疾患に就いては1896年P. Mc Brideの発表以来かなりの報告がある。
欧米では本症に対してGranuloma gangraenensens或いはMalignes Granulomなる名称が付けられている。本邦でも馬鼻疽類似症,特発性鼻壊疽,進行性壊疽性鼻炎等と呼称されている。いわゆる進行性壊疽性鼻炎様症状を呈した症例は本邦文献中にも百数十例の報告をみるが,その本態に関しては尚解明されるに至つていない。私達は最近本症の1例を経験,剖検し得たので,その症状,経過,剖検所見の概略を報告し,その本態探究の一助としたくここに報告する。
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