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第6回国際耳鼻咽喉科学会出席記—6——バルチモア,ブイラデルフイア,ニユーヨーク
西端 驥一
1
1慶大
pp.827-831
発行日 1959年10月20日
Published Date 1959/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202339
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5月11日。緊張と焦慮とに明け暮れた10日間の学会も,始まつてみると弦を離れた矢のように情け容捨もなく過ぎ去つて,次の段階に移つた。気管食道学会,音声学会等に出席する人々は,まだ肩の重荷は下りないが私は開放感にグツタリした。多くの会員と共に汽車でBaltimoreにゆく。
午前中にジヨンホプキンス大学で数名の教授からお得意の問題であろう講演を聴かされる。講堂の通風は悪いし,冷房装置はないので,その蒸し暑いこと話にならない。かてて加えて学会の疲労がどつと出て,席にいるのがつらい。講演はてんで耳に入らぬので後方から写真をとつていた。会員も儀礼的に聞いているだけで皆閉口しているらしい様子が充分に窺われた。
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