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カルチノフイリンの使用経験
樋口 郁文
1
1岩手医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.1008-1013
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202141
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緒言
現在,悪性腫瘍の治療として,その治療手技には,根治手術,ラヂウム,レントゲン線,アイソトープの使用及び癌化学療法があるが,早期診断が困難である点から根治手術により永久治癒する例は極めて僅少であり,放射線療法及び抗癌性物質も又之を完全に制圧する手段とはなし得ない現況である。
私は今度比較的早期に発見し得た舌癌に対し,根治手術及び放射線療法を施さず,最近北里研究所秦等の土壤より分離されたStreptomyces Sahachiroiという放線菌の一新菌株により生産される抗生物質カルチノフイリンを単独に局所,静脈投与して,著明なる効果をもたらしたので,ここに報告する。
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