技術解説
オートアナライザーの使用経験
高原 喜八郎
1
1東京医歯大付属病院中央検査室生化学部
pp.183-194
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905940
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緒言
1955年にアメリカのテクニコンインスツルメント会社から発売されて以来,自動分析器オートアナライザー(Autoanalyzer)は,オートメーション化の風潮とあいまって目下各方面に急速に普及されようとしている。聞くところによればわが国においてもすでに14台がアメリカンコマーシャル会社の手によって輸入され,あるいは醸造会社の生産管理に,あるいは大病院の中央検査室で検体の処理にその機能を発揮しており,その高能率性が知られるとともに今後ますますその需要は高まるものと予想されている。
オートアナライザーそのものの紹介はすでに茂手木,松村氏等の記事があるが,東京医科歯科大学付属病院中央検査室生化学部においては1960年11月に購入以来,筆者らはオートアナライザーによる臨床検査業務に日夜従っているものであって,今回使用者の立場から本器を実際に操作した経験から,説明書に書かれてないような実技上の細かい点に重点を置いて書いてはとのおすすめに応じ,本誌に投稿させていただいた次第です。とりあえず数カ月の体験に基づいてありのままを報告することによって,目下この方面の知見に乏しい本器を現在使っておられる方々,また本器の使用を考慮しておられる人々のお役に立てたい所存です。
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