研究と報告
Isocarboxazidの使用経験
薄井 省吾
1
,
平松 直
1
,
長尾 堯司
1
1岡山大学医学部神経精神科医学教室
pp.869-871
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200382
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緒言
近時うつ状態に対する治療薬として,モノアミン酸化酵素抑制剤が注目され,すでに数多くの製剤が登場しているが,いずれも一長一短がある。Hoffmann-La Roche社製のモノアミン酸化酵素抑制剤(MAO inhibitor)Enerzerすなわち,Isocarboxazidは作用がきわめて強力で毒性が少ないものとして知られており,狭心症,関節ロイマチス,うつ状態およびうつ病に対する有効性が海外においてすでに数多く発表されている1)〜6)。今回われわれは武田薬品工業のご好意によりエナーザの提供をうけ,抑うつ状態を主症状とする患者に使用する機会をえたので,ここに報告する。
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