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緒言
口内炎は我々の耳鼻科外来のみならず,小児科,内科および皮膚科外来にてもしばしば遭遇する疾患の一つであるが,その発生機転原因菌についてはいまだなお解明されていない点が多い。治療法に関して局処的には消炎療法に重点がおかれ,全身的にはビタミン剤が主として用らいれてきているもののようである。最近アレルギー説が盛んになるにつれて口内炎も一種のアレルギー性疾患なりとの観点に立つて,種々の抗ヒスタミン剤を使用するものも多くなつて来ているが,抗ヒスタミン剤がすなわち抗アレルギー剤なりとなすには今日なお疑問の余地がある。また近年ペニシリン,オーレナマイシン,テラマイシンその他の抗性物質の出現によつて,局処のカタール,潰瘍,壊疽等は一応治療が容易になつたことは衆知の事実であるが,いまだ今後の研究に待つことが多い。
私は今回当外来を訪れた口内炎患者に主として強力ネナミノフアーゲンC(以下S. N. M. C. と略す)を試用して口内炎の治癒日数を短縮し得たのでこゝにその大略を報告して諸賢の御批判を仰ぎたい。
In 65 cases of aphthous lesion of the oral mucous membrane comparison is made for effective treatment of this condition by use of neo-minophagen-strongon one hand, 24 cases, and other drugs on the other, 41 cases. The former agent appeared to be superior to any other drugs by shortening the period of illness, affording relief of pain and causing an eary loss of ulcerations. Undoubtedly this condition is brought on by nutritional disturbances but, the auhtor believes that it might be due disturbances in amino-acid metabolism.
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