特集 喉頭腫瘍
喉頭嚢腫
牟田 哲三郎
1
,
牟田 実
1
1大阪牟田病院
pp.452-455
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202021
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1.頻度
喉頭に発生する嚢腫は比較的稀な疾患ではあるが,古くより記載されている。Jurasz1)の綜説によれば,1877年Beschornerは45例を,1881年Moureは117例を,1886年Schwartzは138例を,1887年Ulrichは155例を集めて報告している。一般喉頭良性腫瘍における頻度については,Fauvelは300例中嚢腫3例を,Masseiは200例中13例を,Juraszは192例中14例を,MacKenzieは100例中2例を認めている。最近では1951年Holinger & Johnston2)は1197例の喉頭良性腫瘍中,嚢腫73例(約6%)を見出したと報じている。
本邦においては1900年金杉3)の報告以来,諸家により記載され,1938年西山4)は30例の文献的考察を発表している。頻度については詳細な記載はないが,一般に男子に多く,しかも中年以上に発生しやすいことが知られている。
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