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P32によるガイガー計数の上顎癌摘出手術への応用
高橋 良
1
,
山本 喬
1
,
内田 昭
1
,
内田 豊
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.445-450
発行日 1957年5月20日
Published Date 1957/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201787
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緒言
近時放射性同位元素の種々な医学的研究が盛んに行われて来て居るが,その中特に臨床的に之のアイソトープが悪性腫瘍組織に他組織より,より余計に親和性を有する性質を利用して,吾が科領域以外に於ては既に腫瘍診断に広く応用されつつある。我々は数年前よりP32を種々の実験的研究に応用しており,先般耳鼻咽喉科28巻5号に「上顎癌其の他に対するオートラジオグラフの応用に就て」なる論文を発表し,吾が科領域の癌腫の補助的診断法の一つとしてP32によるオートラジオグラフが価値あることを述べたが,今回上顎癌患者並びにその対象として慢性副鼻腔炎の患者に,手術前P32を静脈内に注射し,手術中ガイガー計数管にてカウントを測定しつつ手術を進め,そのカウント数が癌摘出範囲の決定に価値あるか否かを検討したところ,些か知見を得たので此処に報告する次第である。
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