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ストレプトマイシンに由る難聴と家系との関係
川口 きぬ
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.396-399
発行日 1957年5月20日
Published Date 1957/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201775
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まえがき
ストレプトマイシン(以下ストマイと略す)による聴器障碍の発現因子としては,Hinshaw,Mc Dermot等によつて指摘された様に,大量投与,腎障碍,髄腔内注人等があげられる。しかし僅か1gの筋注によつて高度の難聴を来たす例がある一方,100g以上の大量を使用しても何等異常を認めないものもあるという様に,この薬剤に対する個体の感受性には非常に大きな差異がある事もまた周知の事実である。こゝに私はこの感受性の類似を物語る例として,DHSM使用により同一家旅内に難聴発現せる4組の症例を経験したので,その概要を報告し諸賢の御参考に供したいと思う。
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