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補聴器の臨床
永浜 武彦
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1長崎大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.187-192
発行日 1957年3月20日
Published Date 1957/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201753
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聴力増進の手段として補聴器を用いる方法は電気補聴器の急激な発達に従つて臨床的にその需要を増してきた。然し視力障碍に対して眼鏡が処方されている程に,聴力障碍に対して補聴器を処方することは容易ではない。補聴器の性能を知るには電気音響学的知識が必要であり,又補聴耳の効果判定には精密な検査法を行うことが必要とされているからである。然るに実際には極めて簡単に考えられて患者自身の判断で補聴器を購入使用している場合が多い。又耳科医が補聴器の相談を受けても適切な指導を行い得ないのが一般の実状である。然し補聴器使用の適応決定は医学的行為であり,難聴の原因を明らかにしその適応を考えることなく補聴器を使用するならば,却つて有害無益であることを患者に知らしめなければならない。我々耳科医は補聴器に関して臨床的に重要な事項は知つておく必要があると思つたので,実地専問家の参考として著者等が知り得た事項を簡単に述べることにした。
Nagahama presents a list of important poi-nts to be noted clinically at time when fitting out a hearing aid to patients hard of hearing.
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